大人のピアノレッスンの進め方

大人のピアノレッスンの進め方
金久保

皆さん、こんにちは!かなくぼピアノ教室 講師の金久保亮佑です!

ピアノは年齢を問わず、誰でも楽しむことができます。

しかし、大人の生徒さんがピアノのレッスンを受ける際には、子供の生徒さんとは異なる課題や挑戦がしばしば出てきます。

大人特有のライフスタイル、独自の学習目標、そしてある程度の固定化された習慣などを考慮に入れ、それらに合ったレッスンの進め方を見つけることが重要となります。

この記事では、大人のピアノレッスンの進め方に焦点を当て、これらの課題をどのように乗り越え、大人の生徒さんが成功を収めるためにどのようなレッスンをしていくのか考察していきます。

大人がピアノを学ぶ際の利点

大人がピアノを学ぶことには、一見すると想像できないほどの多くの利点があります。

音楽理解の深化

大人は、子供たちがまだ発達しきっていない抽象的な概念や理論を理解する能力を持っています。

これにより、音楽理論や楽譜の読み方などを学習することで、より深いレベルで音楽を理解することが可能となります。

新たな趣味の獲得

新たにピアノを学ぶことは、素晴らしい趣味の獲得となります。

ピアノを弾くことは、生活に新たな喜びをもたらし、人生の経験を豊かにします。

また、音楽を通じて新たな人々とのつながりを作ることも可能になります。

自己表現の深化

大人は子供とは異なる自己表現への欲求を持っています。

音楽は感情や経験を表現するための強力なツールであり、大人は音楽を通じて自己表現を深めることができます。

自己表現を深めていくことで、今まで気づかなかった自分の感情を理解できることもあります。

大人がピアノを学ぶ際の課題

ピアノを学ぶ大人たちは、子供たちとは異なる特有の課題に直面することがあります。

時間の制約

まず時間の制約です。

多くの大人は仕事や家庭の責任を抱えていることにより、自由に使える時間が限られています。

そのため、定期的なレッスンに通ったり、練習に必要な時間を見つけることが難しい場合があります。

自己批評や焦り

次に、自己批評や焦りも大人の学習を難しくする要因となります。

大人は、自分の進歩に対する期待値が高く、すぐに結果を出したがる傾向があります。

しかし、ピアノの上達は時間と練習を必要とします。焦りは学習を阻害し、自己批評は自信を奪うことに繋がってしまいます。

既存のスキルや習慣

最後に、既存のスキルや習慣の変更もまた課題となることがあります。

大人は長年にわたり定着した習慣を変えることが難しいため、新しい技術や理論を学ぶ際に障害となることがあります。

しかし、これらの課題にもかかわらず、大人がピアノを学ぶことは可能ですし、それは非常に価値のある経験となります。

レッスンの目標設定

さて、ここからがこの記事の本題です。

大人のピアノレッスンは、先述の通り子供とは異なるアプローチが必要です。

なぜならば、大人の生徒さんは自分自身で自分の学習目標を設定し、それに向かって自主的に取り組むことができるからです。

これは大人の生徒さんが自分自身の時間を管理し、自己責任で学習を進めるという点で、子供の生徒さんとは大きく異なります。

そこで、レッスンの最初の段階で明確な目標を設定することが重要です

目標設定により、生徒さんは自分が何を学びたいのか、どのように学びたいのかをはっきりと理解することができます。

ピアノ講師としてはその目標に向けての最適なカリキュラムを提供し、生徒さんの学習をサポートする役割が求められます。

大人の生徒さんのニーズと目標に合わせた柔軟な教え方が、大人のピアノレッスンの成功につながります。

適切な教材の選択

教材選びはピアノレッスンにおける重要なステップです。

大人は子供と違い、一人ひとりピアノに対する経験が異なり、全くの初心者から数十年ブランクのある方まで、さまざまなパターンが考えられます。

そのため、生徒さんの技術レベル、目標、そして音楽的な好みなどを考慮に入れた教材の選択が、生徒さんが継続的に楽しみながら学ぶための重要な要素となります。

初心者向けの教材から上級者向けの教材まで

ピアノの学習者はスキルレベルにより異なるニーズがあります。

初心者の生徒さんには基本的な楽譜の読み方やピアノのテクニックを学ぶための教材が必要です。

しかし、上級者や一度学んだことがあるが数十年のブランクがある生徒さんには、より複雑な楽譜の読み方や高度なテクニックを再習得するための教材が求められます。

ピアノ講師としては、生徒さんのスキルレベルを正確に把握し、それに対応した教材を提供することが重要です。

個々の学習者の目標や好みに合わせた教材の選択

また、教材の選択は生徒さんの個々の目標や好みにも影響されます。

例えば、ある生徒さんはクラシック音楽に深く興味を持っているかもしれませんが、別の生徒さんはジャズやポップスに魅力を感じるかもしれません。

ある生徒さんは、レッスンを通じて音楽理論について深く学びたいと考えているかもしれませんが、別の生徒さんは自分のお気に入りの曲を弾けるようになりたいだけかもしれません。

これらの違いを尊重し、生徒さんのニーズと目標に合わせた教材を選ぶことが、生徒さんが継続的にレッスンに参加する上で非常に重要です。

かなくぼピアノ教室で使用している教材

金久保

ほんの少しですが、私が大人の生徒さんの傾向に合わせて使っている教材についても紹介しておきましょう。

初心者向け:おとなのためのテクニックマスター

まったく新しくピアノを始める生徒さん向けに使用している教材です。

出版年は1993年と、すでに30年以上前からある教本ですが、おとなのためと銘打たれた古くから使われている数少ない教本です。

進行は非常に慎重で、ゆっくりとした内容になっているので、じっくり時間をかけて勉強したい方にはおすすめの教本となっています。

中級者向け: プレ・ハノン スケール&アルペジオ

ある程度楽譜を理解して、基本的なテクニック(音階やアルペジオ)を身に着けたい人におすすめです。

有名なハノン教本はピアノの基礎を身につけるための教本として極めて有名ですが、いきなり弾こうとすると少々難しい側面があります。

この教本はそのハノンに対する導入として考えられた教本で、より簡単な音階、アルペジオを学ぶことが出来ます。

中級者向け: ピアノエチュード集 第1巻

数小節〜数十小節程度の短い作品を通じて、さまざまなテーマに沿ったテクニックを学べる教本です。

テクニックのみならず、レガートやスタッカートといった基本的なアーティキュレーションが細かく書かれていて、深く楽譜を読む力を身につけるのに適しています。

レッスンの進め方

教材が決まったら、先に決まった目標に向かって効率よく進められるよう、適切な課題と作品を選んでレッスンをしていきます。

このレッスンの仕方は、生徒さんによって全く異なります。

すべての生徒さんに対して普遍的に上達を約束できる進め方は存在しません。

一人ひとりの個性に合わせてレッスンを行います。

しかし、最低限以下の内容についてはレッスンでお伝えするようにしています。

継続可能な練習方法の提案

最初は、一日5分でも良いので毎日継続できる練習を提案します。

例えば基礎が不足している生徒さんであれば、音階を数往復することなどです。

ピアノにおいて継続は命です。

生徒さんが抱えている課題に対して、最低限必要な練習を提案することを大切にしています。

具体的な解決策の提示

ピアノのレッスンは抽象的な表現を用いられることが多くなりがちです。

「もっと歌って!」「ここはもっと表情豊かに!」

など、かつてピアノを習ったことがある方なら一度は言われたことはあるかもしれません。

大人のレッスンの場合、大切なのは具体的な「もっと歌うための方法」「表情豊かに演奏する方法」です。

大人はこういった具体的で難しい表現を、子供よりも理解することが出来ます。

したがって、指導はこうした具体的な方法に言及することが多くなっていきます。

フィードバック

定期的にレッスンに通って頂く場合、前回のレッスンに対してどの程度課題が解決できているか、進捗がどのくらいあるかを確認します。

私の場合は、合格を100%としたとき、進捗度合いを数値で表すことが多いです。

「今は80%くらいは弾けているかな」

「◯◯と✕✕が弾けるようになったら90%になりそうだね」

などと表現します。

こういった数値を参考に、私と生徒さんの間で意識を共有し、自分の成長や課題について都度確認を行っていきます。

金久保

こうした数値で表す傾向は、理系大学出身であることや、会社員を経験したことが大きいかもしれません。

発表会の企画

発表会はピアノ教室の一大イベントです。

日頃の練習の成果を披露する場は必ず用意します。

大人の方は子供に比べると発表会に対する意欲が薄い場合も多いですが、基本的には参加をおすすめします。

その理由としてはもちろんモチベーションの維持が挙げられます。

さらに、発表会は自分自身の進歩を認識し、新たな目標を設定する機会ともなります。

演奏を準備し、それを他人の前で披露することは、自信とプライドを育て、さらに音楽を楽しむ感覚を高めます。

また、他の生徒の演奏を聴くことは、新たな視点やアイデアを得る良い機会でもあります。

自分以外の人がどのように音楽に取り組んでいるかを理解することで、自分自身のアプローチに新たな視点を持ち込むことができます。

しかし、発表会に参加することに恐怖を感じる大人の生徒もいることでしょう。

そのため、先生側としては、発表会に対するプレッシャーを最小限に抑え、生徒が楽しむことができる環境を作ることが重要です。

この点については、発表会の規模、内容、そして生徒一人一人のニーズに応じて調整する必要があります。

金久保

かなくぼピアノ教室では発表会の2週間前にリハーサル会を開催。希望者には発表会当日、会場でのレッスンも行います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ピアノを学ぶことは、大人にとっても素晴らしい経験となります。

音楽理論の理解、新たな趣味の獲得、そして自己表現への深い考察―音楽を通じて得ることができる利益は数多くあります。

一方で、時間の制約、自己批評、そして既存のスキルや習慣の変更など、大人がピアノを学ぶ際の課題もあります。

しかし、それらはすべて乗り越えられるものなので、最終的には生徒さん自身の音楽に対する愛と情熱が勝るでしょう。

本記事では、大人のピアノレッスンの目標設定、適切な教材の選択、効率的な練習方法と時間管理、フィードバックの重要性、そして発表会の企画など、ピアノを学ぶ大人が取り組むべき要点について詳しく説明しました。

ピアノを学ぶことは新たなスキルを獲得するだけでなく、自己発見の連続でもあります。

あなたがこの世界に足を踏み出すことを決めたなら、それはすでに成功の一歩です。

気軽にピアノの世界に足を踏み入れて、音楽が人生にもたらす豊かさを体験してみてください。

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