【ピアノ練習の基本】メトロノーム、使っていますか?一流ピアニストが毎日欠かさない理由

開いた楽譜と木製メトロノームの画像。「メトロノーム、使っていますか? 一流ピアニストが毎日欠かさない理由 KANAKUBO PIANO SCHOOL」のテキスト入りブログ用アイキャッチ画像。
金久保

皆さんこんにちは!
かなくぼピアノ教室、講師の金久保です。

突然ですが、最近メトロノームを鳴らして練習したのはいつでしょうか?

「持ってはいるけれど、ほとんど使っていない」「初心者の頃に少し使ったきり」という方も、実はとても多いのではないでしょうか。

先にお伝えしておくと、ピアノを上達させたいなら、メトロノーム練習は欠かせません。「あると便利」ではなく、「欠かせない」です。

今回は、私自身がこのことを叩き込まれた経験も交えながら、その理由をお話しします。

目次

ニューヨークで言われた一言

私はかつて、作曲家でピアニストのロン・イェディディア先生にピアノを教わるため、ニューヨークまで足を運んだことがあります。

そのレッスンで先生に言われた言葉を、今でもはっきり覚えています。

一流のピアニストは毎日メトロノームを使って練習している。君がやらないでいいはずがない。

返す言葉がありませんでした。

世界の第一線で弾いている人たちが、今日もメトロノームを鳴らして練習している。それなのに、まだその域に届いていない自分が使わない理由など、どこにもないのです。


メトロノームを使わないと見えないこと

実際にメトロノームを鳴らして弾いてみると、痛感することがあります。

自分のリズム感やテンポ設定は、思っている以上に正確ではない、ということです。

  • 難しい箇所で、無意識にテンポが落ちている
  • 得意な箇所で、逆に走っている
  • 付点や休符の長さが、少しずつ甘くなっている
  • 「このテンポで弾けている」と思っていた曲が、日によってテンポが違う

こうしたズレは、自分の耳だけではなかなか気づけません。ズレている本人の耳で聴いているので、そのズレが「正しい」ように聴こえてしまうからです。

物理の実験では、ものさし自体が歪んでいたら、どれだけ丁寧に測っても正しい値は出ません。だから測定器は、基準となる器具に合わせて定期的に校正します。メトロノームは、まさにこの「原基」です。自分の中のものさしがどれだけ歪んでいるかは、外部に基準を置いて初めて見えてきます。


メトロノームは「矯正器具」

私はメトロノームを「矯正器具」だと考えています。

まず、人間の姿勢を思い浮かべてみていただきたいと思います。何もしないで過ごしていると、人の身体は少しずつ歪んでいきます。猫背になったり、左右の肩の高さが変わったり。本人は気づかないまま、日々少しずつ崩れていくものです。日々それが蓄積していき、整骨院や整形外科のお世話になった方もいらっしゃるでしょう。

リズムやテンポも同じです。メトロノームをあまり使わずに練習を続けていると、本人が気づかないうちに、リズムやテンポは日々歪んでいきます。難しい箇所をゆっくり弾き続けていれば、そこだけテンポが落ちる癖が固まっていきます。

矯正器具は、たまに使う程度であるより、毎日使うほうが効くと思いませんか?ロン先生が「毎日」と言ったのは、そういうことだと私は受け取っています。

できることなら、毎日やったほうがいい。これは私の実感でもあります。

ピアノの上に置かれた木目調の振子式メトロノーム
正確なテンポを刻み練習を支える、クラシカルなWittner製のトロノーム。優しい音色で、長時間の練習に最適。

リズムは音楽の「背骨」

なぜ、ここまでリズムにこだわるのか。

リズムは音楽の骨格であり、背骨だからです。

どれだけ美しい音色で弾いても、どれだけ豊かに表現しても、リズムが歪んでいれば、音楽そのものが歪んで聴こえます。聴き手が「なんとなく落ち着かない」と感じる演奏は、リズムの歪みが原因であることが本当に多いのです。

リズムが歪むということは、音楽の歪みそのものです。

背筋の伸びた最高の立ち姿を保ちたければ、日々のメンテナンスが要ります。音楽も同じです。直立不動の、芯の通った演奏を維持したければ、リズムのメンテナンスが必要です。そのための道具が、メトロノームなのです。


まとめ

  • 自分のリズム感・テンポ設定は、思っている以上に正確ではない
  • ズレは自分の耳では気づけない。外に基準を置いて、初めて見える
  • メトロノームは「矯正器具」。使わない期間が長いほど、リズムは静かに歪んでいく
  • できることなら毎日。一流のピアニストがそうしているのだから

「毎日は難しい」という方は、基礎練習の5分だけでも構いません。当教室では、練習は「頻度>質>量」とお伝えしています。短くても、毎日メトロノームを鳴らす。それだけで、リズムの歪みは驚くほど溜まりにくくなります。


最後に

「メトロノームに合わせているのに、どうしてもズレてしまう」「どのテンポから始めればいいのか分からない」という方もいらっしゃると思います。

そうした悩みは、リズムの取り方そのものに原因があることが多く、言葉で整理すれば必ず解決の糸口が見つかります。当教室の体験レッスンでは、メトロノームの使い方から一緒に確認していますので、よろしければお気軽にお越しください。

▼はじめての方はこちら

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この記事を書いた人

大人のピアノ教室「かなくぼピアノ教室」講師。理系大学院を卒業→就職→退職してピアノ講師に。社会人経験を生かして、大人の方向けにピアノ教室を運営しています。

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